●糖尿病の食事療法の考え方

当院では慢性腎不全の方に対して，食事療法を行ってきました。参考となるレシピもこのHPにupしてきました。当院で行っているアンケートの中に、腎臓病食だけではなく、糖尿病食や高血圧食も紹介して欲しいとのご意見がありました。今や，透析治療に至る方の40％に糖尿病があり、糖尿病食もHPで取り上げてみます。

糖尿病食のポイントは、�@:カロリー制限、�A:バランスの2点です。�@については、過食によるカロリー負荷を処理しきれなくなって血糖が上昇し、糖尿病にいたるので、必要カロリーを算定し、過食しないという意味です。具体的には、＊目標体重×25〜30Kcal/日となります。25〜30の幅は、その方の体型や運動量に応じて変わります。�Aのバランスについては、仮に1600Kcal/日と1日カロリー設定がなされても、では、その構成はどうするかという点です。お猿さんのように、バナナ20本で良いわけではありません。食材を6種に分類して、万遍よく，各表の中から適切に選ぶわけです。
（＊目標体重；2019糖尿病診療ガイドラインより）

では、以下に、具体的にレシピをご紹介しましょう。　

＜献立例＞

• スパゲティナポリタン
• 白エビサラダ

単品になりやすいスパゲティは、サラダと組み合わせることで栄養バランスがよくなり、食後血糖上昇をゆるやかにします。

【1食あたり栄養量】

＊＊糖尿病食では一般的に、食品交換表で示されますが、インスリン治療を伴う方も多いため、エネルギー、炭水化物量（カーボ）で示しています。

スパゲティナポリタン　

【作り方】

�@＊鶏ムネ肉は黒コショウ、すり卸したニンニク、片栗粉をまぶして油でソテーしておきます。
玉葱、ピーマン、マッシュルーム茹で、ミニトマトは食べやすい大きさに切っておきます。

�Aスパゲッティは沸騰したお湯に指定された時間茹で、ザルに上げたら麺どうしくっつかないようサラダ油をからめておきます。

�Bフライパンを熱してバターを溶かし、玉葱、ピーマン、マッシュルーム茹で、ミニトマトの順に軽く炒めコンソメを加えます。これに�Aのスパゲティと炒めた鶏ムネ肉、ケチャップをくわえて全体に味をなじませます。

☆疲労回復効果の成分があるという鶏ムネ肉を使いました。食塩量も確実です。

栄養計算表（糖尿病食）

白エビサラダ

【作り方】

�@白エビはヒゲをカットします。新玉葱はスライスして水さらししておきます。黄ピーマンは短冊に切ります。

�A白エビに片栗粉をまぶして多めの油で炒めます。白エビを引き上げた後の油で、黄ピーマンを素のままで炒めて油を切っておきます。

�Bベビーホウレン草は水洗いして水気をふき取ります。

�C各材料を一緒に軽くあえて器に盛り、食べる直前にドレッシングをかけます。

栄養計算表（糖尿病食）

☆白エビは「サクラエビ茹で」ベビーホウレン草は「ホウレン草生」で計算してあります。